35億年前、生物はH(水素)とO(酸素)で構成されている水(H2O)の中に誕生しました。したがって、生物の生命活動を活性化させる鍵も、生物の生存を脅かす要素もHとOからなる物質の中に存在していると考えられます。
第一章 活性酸素 近年、医学会では「すべての病気は活性酸素による」という説が話題になっていることを皆さんご存知でしょうか?活性酸素が急に騒がれ始めたのは、1950年代にスーパーオキサイド という物質が発見されたことがきっかけになります。 スーパーオキサイドは、人体の異物処理を行う反面、一方で障害も与えます。 現代病と言われているガンや心筋梗塞、糖尿病、リウマチをはじめ、白内障など、更に自己免疫性疾患の引き金になるとも発表されています。 その結果、活性酸素はアッという間に、生命体を脅かす悪玉ランキングのトップに踊り出ることになりました。
スーパーオキサイド 生命体は酸素呼吸の際、約2%程度の酸素を体内の細胞組織内に蓄積し、残った余分なモノを活性酸素とします。 その活性酸素の一部には、殺菌や物質の代謝に深く関わっているモノがあり、その1つがスーパーオキサイド(O2-)なのです。 その他にも、過素化水素(H2O2)・水酸化ラジカル(・OH)といった活性酸素が発見されています。
化学式 <活性酸素は解毒されて水になる>
ここに、単純明快な理論があります。 「活性酸素を作ったのがHとOであるならば、それを消去する要素もHとOの中にある」 化学式をご覧いただければわかると思いますが、驚くことに活性酸素が最終的に無毒化され、H2O、つまり水へと戻っているのです。
上の図は、それをより分かりやすく示したもので、人間が呼吸をした際生じる体内の化学変化を絵で示しています。4つの電子と陽子が酸素と結合することにより(化学式参照)、人間は4電子・4陽子還元作用 という変化を無意識の内に体内で行っています。
しかし、これは何も驚くべき現象というわけではありません。
この化学式は、三十数億年も前から生命体が常に行い続けてきた体内メカニズムの1つであり、生命体が生きるために授かった「超能力」とも言える変化なのです。
< 消 化 管 の 話 >
人間の体内で最も活性酸素が発生しやすい場所、それは胃と腸になります。
嫌われ者のスーパーオキサイド・過素化水素・水酸化ラジカルといった猛毒が体内に発生すると、直ちに消化液と言われる物質が働き、先ほどの化学式のような毒消し作用を体内で行ってくれるのです。
図で説明すると
まず通常の場合、食物と共に体内に入った酸素は体内に存在しているH+ によって徐々にプラス150mV~マイナス250mV へと無毒化されていきます。 しかし、これはあくまでも食物に化学物質が入っていないことが前提であり、現代社会に生きる私たちにとって、化学物質が入っていない食物を摂取することの方が難しく、この酸素と化学物質の強力タッグは、好気性である大腸菌・ウエルシュ菌の毒素発生の手助けをし、腸内の異常発酵を引き起こすのです。
嫌気性・・・ビフィズス菌 等の乳酸菌系
好気性 ・・・大腸菌・ウエルシュ菌
※ 好気性=酸素を好む
この異常発酵は病気の原因になり、消化液がなければ人間はすぐに病魔におかされ、生きていくことすらできないのです。 人間にとってとても重要な働きをしてくれている「毒消しのエース」消化液に、私たちは感謝しなければなりません。
「毒消しのエース」消化液
消化液は酸性の物質であり、酸性は水素イオン濃度が多いことを意味しています。 水素イオンは水中で変化し(化学式参照)これが毒消しのエースの正体になります。
第2章 環境の過酸化
人間社会の経済活動が急速に拡大し、エネルギー資源を大量に使う社会に移行してから、生命体の天敵である活性酸素も増加していきました。 世界中の都市には昼も夜も車があふれ、排気ガスを排出し、上空からは酸性雨が降り注いでいます。 これは地球全体が大量の有毒物質を含んだガスドームに包まれているようなものであり、その中で地球上の生命体は生きているのです。 そして、そのドームの中で農薬を含んだ野菜を食し、有害物質が溶け込んだ水を飲んで、私たちは生活しています。
その結果、生命体の内と外に酸化物(生命体にとって毒物的な存在)は充満し、生命活動の根本原理(酸化還元反応が円滑に作用する)が働かなくなってきているのです。 酸化と還元のバランスが崩れ、酸化反応優位の状態は、自然破壊及び、人体への疾患をも引き起こしていると考えられます。 この現状を考えれば、現代人の消化管内に生息している微生物や消化液の苦労は、波大抵のものではないと推測できます。 そして、 消化液は「消化管に共存する微生物と共に食事を分解し、ホルモンや酵素を分泌して健康を維持させる」という本来の仕事があるにも関わらず、現代人の体内では多忙のため、なかなか本業に集中できない状況にあるのです。
第3章 自然が育んだ力
もはや過酸化型環境にドップリと漬かっている私たち、その世界から逃れるためには、一体何が必要なのでしょうか? 元来、昔の人が食べていた自然食には、すごいパワーが秘められていました。
・野菜 自家栽培野菜(庭先で採れたモノ)は、ビタミン豊富で硝酸含有量も少なかった。 ・魚介類 DHAが豊富で、低酸素濃度であった。 ・食品全般 硝酸・農薬・抗生剤・添加物等が含まれていなかった。 ・薬草 水煮にした薬草は、低酸素の栄養源であり昔の人はその煮出した水を薬水と呼んでいた。 ・湯冷まし 湯冷ましも薬草と同様、低酸素濃度であり昔から子供が腹痛を起こした際、母親は「湯冷まし」を子供に飲ませ、腹痛を治していたとされている。 「湯冷まし」は家庭で一番身近な薬水として重宝されてきた。
薬水
本来の水の効果である食べたモノの栄養素を吸収し、生体毒を体外へ排出する(汗・尿)作用を、更に効果的に助けてくれる水
これらは全て、自然が育んでくれた力であり、この「自然のパワー」により生命体は活性酸素から今日まで身を守り、生きながらえてきたのです。 ところが第二章でお話した通り、現代社会の進歩は「自然のパワー」を奪ったと同時に、酸化物を増加させ、活性酸素の力を一段と強くさせる助けをしたのです。 それでは「自然のパワー」にもう頼ることが出来なくなった私たちは、一体何を飲めばいいのでしょうか? 自然界がダメなら、もう人工の力に頼るしかありません。 しかし「人工の力」と簡単に言っても、その条件は厳しく設定する必要があります。
1)自然界に存在している 2)生物にとって馴染みやすい 3)人体に悪影響を及ぼさない 4)「自然のパワー」と同じか、それ以上の力を持っている いずれにしても、自然現象に近く、生命反応(酸化還元反応)から応用したモノでなければならないということが必須条件になります。
その限りなく「自然のパワー」に近い水、それが電気分解から生成される陰極液つまり還元水なのです。 ここで言う酸化還元反応とは?地球上の生物の生体内で起こるミクロ世界の電子やり取り、つまりエネルギー代謝反応のこと。 「毒消し」作用もその1つで、地球上の生物が生きるために活動する全ての生体内メカニズムを示す。
第4章 水であって水でない還元水
電気エネルギーという物理現象によって、資質がまったく変わった水を還元水と呼びます。
水に外部からエネルギーを与えると、水に含まれるイオン種の輸送によって、陰極液はもとの水の性質とは異なる資源へと変化します。 その変化した水の内容は、pHや酸化還元電位、溶存酸素、アルカリ金属などの変化がみられ、特異的な物質が存在しているとわかました。 これが還元性を示すことから、陰極液を還元水と名づけたのです。
還 元 水 の 成 分
pH 約 9.5付近 酸化還元電位 マイナス250mV (ミリボルト)(ビタミンCはマイナス50mV程度) アルカリ金属 Ca Mg Na 溶存酸素濃度 約 5~6ppm (水道水は約 8~10ppm) 還 元 成 分 孤立の OH– 水の分子集団 水の約1/2
mV (ミリボルト) 酸化還元単位-ORPの単位のこと。
酸化還元電位とは、ある化合物が他の化合物を酸化、あるいは還元する能力の指標を表している数値。
第5章 還元水5つの役割
① 溶解性 一般的に水は溶解性があるとされているが、特に還元水は酸素結合した物質に対して溶出力が高いと言われている。 <例> 還元水にお茶を入れるだけで、成分がすぐに溶け出す
② 中和能力 還元水はアルカリ性に属し、水素を引き抜く役割があるとされ、酸性の物質を中和させる能力を持つ。
③ 酸素コントロール 人の体内の消化管は、古来より酸素を必要としておらず、活性酸素を生じる物質が体内に取り込まれた場合、酸素を抑え、病気にならないよう体内細胞は活動する。 そのため、酸素の低い水によって活性酸素になる物質から酸素を引き抜かせれば良く、低酸素濃度の水である還元水は消化管の酸素をコントロールする水として、極めて有効だとされている。
④ 発酵物質の抑制 微生物から生じた毒素を中和、低下させる働きがあるとされており、胃腸内の異常発酵を抑制する効果があるとされている。
⑤ 活性酸素 消去能力 陰極液(還元水)は遊離の水酸イオンを持っており、このOH- はプロトンドナーと結合し、活性酸素を消去する力が特に大きいと言われています。