ペポカボチャの酵素抑制物質アブシジン酸(ABA)について

通常、かぼちゃの種は硬い外殻に包まれているため、調理・加工をするためには殻を剥かなくてはなりません。

あらゆる植物の種子には、その子孫を守るため動物に食べすぎられないよう身を守るメカニズムや、土の上に落ちても腐ることなく、やがて発芽に適した季節になると芽を出すことが出来るような、栄養成分を自らの中に閉じ込めたまま外に出さないメカニズムが働いています。

その因子がアブシジン酸やフィチン酸です。アブシジン酸(ABA)は植物ホルモンであり、酵素抑制物質(発芽抑制因子)として、植物の発芽を調節しています。ちなみにフィチンは玄米以外にも豆類や未精製の穀物に多く含まれています。玄米よりもごま・大豆・小麦の方が含有率が多いみたいです。

アブシジン酸は12時間以上浸潤させるとファゼイン酸とジビドロファゼイン酸に変化し毒性はなくなります。フィチン酸も12時間以上浸潤させるとイシノールに変わります。

アメリカ合衆国国立科学研究所会報に発表された論文によれば、人体に対しABAの作用で、ヒト顆粒球(白血球の一種)で食作用が活発化し、活性酸素や一酸化窒素が多量に産生され、生体細胞内のミトコンドリアが損傷され、諸疾患の原因になることが指摘されています。

しかし、製造元に確認をいたしましたところ、この度の商品ペポカボチャからとれるかぼちゃの種は、外殻が存在せず、そのまま炒って食すことが可能な珍しい品種です。

したがってアブシジン酸(ABA)の心配はありません。
日本での栽培はまだ少ないペポカボチャですが、南欧やアメリカでは重要な野菜として栽培されています。

通常、種子の殻である発芽抑制因子のミトコンドリア毒は、浸水、焙煎(200度 10分程度)、遠赤調理などで失活させることができます。遠赤調理のできる陶技鍋(とうぎなべ)・マスタークックなどの活用をおすすめします。全粒粉を焙煎して使う工夫もよいと思います。

【玄米の例】

玄米は十分に浸水されることによって発芽へのスイッチが入り

成分が変化していき

ABAはファゼイン酸(PA)とジヒドロファゼイン酸(DPA)に変化し

フィチン酸はビタミンB複合体のひとつイノシトールに変化し

ミネラルを*キレートする作用による毒性も消滅します。

*(キレート作用:金属等を吸着し対外へ排出する作用)

イノシトールは、ビタミンBとして働き、脂肪肝や高脂血症の治療に用いられるほか、セロトニン異常に起因するうつ病、パニック症候群などに有効とする研究結果もあります。

この時、実際の発芽までもっていかなくとも前発芽状態、すなわち種子の中で成分が変化し人間が食べても安全な「発芽モード」の状態にして食べればよいのです。発芽までもっていくと、話題の栄養成分ギャバGABA(ガンマアミノ酪酸)が増えてきますが、玄米の食味はむしろ低下しますので、おいしい料理としてはおすすめしません。

かつて日本人は玄米を食べる時、前日から十分に水に浸けてから炊飯していました。圧力鍋のなかった時代、そうでなければ硬いままの玄米では、鍋や釜では調理が難しかったのかもしれません。

でも昔の人は、実はそれがおいしい食べ方であることを知っていたはずです。浸水された玄米では、酵素の活性によりでんぷんがグルコースに変わり、グルタミン酸がガンマアミノ酪酸の変化する米アレルギーの原因となるアレルゲンタンパク質が少なくなるなど、アミノ酸の内容が向上することが知られています。

玄米は十分な浸水によって柔かくなるだけでなく、このように前発芽状態になって成分が変化し、発芽抑制因子という毒成分が消えることも、おいしいと感じる理由かもしれません。

玄米のABAを不活化し、安全においしく玄米を食べるための浸水時間の目安は、常温の水で夏12時間程度、冬24時間程度です。

長時間の浸水で雑菌が増えて、異臭が発生することがありますが、それを防ぐには浸水時にコーボン(第一酵母)を少量添加するのが効果的です。

【抜粋引用http://alter.gr.jp/Preview.aspx?id=8888&cls=、http://大腸がん闘病記.jp/dietetic_treatment_of_large_intestine__cancer/the-demerit-of-a-diet-on-brown-rice.html 】

渡辺

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