NK細胞の働きと免疫能
大いにに笑うとNK細胞は活性されます。大いに泣いても、NK細胞は活性されます。緊張で免疫能はおちてきます。血液循環が良くなると免疫能は上がり、腹式呼吸等を利用した深い呼吸、身体の緊張を解くストレッチでも免疫能は上がり、適度な運動でも免疫能は上がります。
一方、過度なスポーツ、特に、無酸素運動では免疫能は下がってしまいます。食事制限だけのダイエットも免疫能がさがる場合が多いようです。寝ている間に免疫は強く働き、特に、成長ホルモンのでているときのノンレムの時間中での働きが強いようです。
ミトコンドリアと熱発
身体を形成する細胞は、約60兆個に対し、腸内細菌は腸内には100種類以上、100兆個以上が生息しており、皮膚にも様々な細菌が存在しています。
ところで、それぞれの細胞の中にも、細胞本体のDNAと異なったDNAをもっているミトコンドリアが住み着いているともいえるかたちで共存しています。ミトコンドリアは、ほとんど全ての生物の細胞内にいる細胞内構造物で、ある意味、細胞内生命体のようなものです。
ミトコンドリアは好気性の生命体で、細胞内に寄生し酸素を活用してエネルギーをつくりあげています。この作用によるエネルギーを利用して、我々は体温を保ち、運動して生きていくことになっています。つまり、熱産生(物質を代謝して熱を放出すること)にはミトコンドリアの好む環境が望ましいわけです。
もっと酸素を
熱産生の回路には酸素が必要です。血液中で酸素の運搬は、赤血球の役目です。赤血球が毛細血管の果てまで届き、しっかりと酸素を運ぶためには、赤血球の数も当然のことですが、赤血球のヘモグロビンが酸素と結合していること、赤血球が果てまで届くように赤血球そのものの状態が引っ付いたりとげがあったりしないこと、血液の流れそのものがサラサラした状態にいること、血管に滞り(とどこおり)がないことが大切です。
血液の流れを悪くする原因としてタバコですが、ニコチン、タール、一酸化炭素と3つあります。ニコチンは抹消血管を収縮させ、強い依存性もあり、青酸と同じくらいの毒性もあるそうです。タールはベンツピレンなど多くの発がん物質を含んでいます。
一酸化炭素はタバコ1本からでる煙の中には20~30㎎も含まれているそうです。この一酸化炭素は、酸素の約250倍も赤血球中のヘモグロビンと結合しやすく、ヘモグロビンと結合すると、カルボキシヘモグロビンとなります。
血中にカルボキシヘモグロビンがふえると、血液が酸素を運びにくくなるので、各組織へ栄養がいきわたりにくくなり、老廃物も回収しにくくなります。
赤血球は毛細血管の太さより大きくなっています。赤血球には「変形能」という形を変えられる能力が備わっており、伸びたり細くなったりすることで毛細血管を通り抜けたりしているのですが、それも、赤血球がきれいな形で分かれていなければ、届きにくくなってしまうのです。ストレスのない生活と血の流れがよくなる食事や運動が必要です。
DHCやEPAの多い青い魚、αリノレン酸の多い紫蘇油(エゴマ油)や亜麻仁油、ナットウキナーゼをふくんでいる納豆などがお勧めです。
活性酸素の速やかな除去を
フリーラジカル(いわゆる活性酸素)は外敵をやっつける際の白血球の武器として必要な面もありますが、その場合でも、この武器はライフルではなく、散弾銃のようなもので、正常細胞に対しても武器化しており、すぐに除去しなければ、動脈硬化の原因にも、ガン細胞発生の一因ともなっていきます。
活性酸素は農薬、化学薬品、排気ガス、タバコ、紫外線等々からも発生し、体内で合成されるニトロソアミンからも発生します。空気中の酸素を取り入れることでからでさえ多少発生しているのです。ストレスも活性酸素の誘引となっています。つまり、これらがガン発生の引き金といえるのです。
ところで、放射線や抗がん剤も活性酸素を多く発生させています。国によっては発ガン性物質のトップに数えられているのです。
SOD酵素とビタミンACE
フリーラジカルの代表である活性酸素を除去する働きをする(正確には、より強力な活性酸素であるスーパー・オキシド・ラジカル)のが、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)酵素です。
このSODの補酵素として、或いは直接的にも活性酸素と向いあっているのが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどです。省略語として、ビタミンACEという言い方が一般的にされています。
但し、ビタミンAは、摂り過ぎると様々な問題を起こすことがあります。植物由来のカロテンなどは体内でビタミンAに変化しますが、余分なものは排出されますので、ビタミンAの利点のみを利用できるのです。
このSOD酵素は、40歳を過ぎると急激に減少してくるといわれています。ビタミンACE等の積極的な摂取が必要となってきます。
抗酸化物質は、他にも多くあります。
食素材か、合成品か
その成分ばかり追求しすぎると、木を見て森を見ない状態になりかねません。新薬の多くは、植物由来の成分や、体内で作り出される成分を分析し、主に、化石燃料から類似した化合物を作り出したものが主流となっています。ビタミン類ですら、化石燃料から作られてきています。
確かに、急性の症状で、大量摂取が必要な場合は奏効することがあるので、一概に悪いとは言えませんが、必要悪の範疇(はんちゅう)と言えないこともないようです。
漢方薬の世界では、化石燃料ではなく、生薬が中心ですが、何種類かの生薬の組み合わせで、その人の証に合わせた処方がなされています。例えば、21種の組み合わせとして、その1つでも外すと、効果が薄れるとされています。
複合の中でこそ、自然の与えた恵み、つまり、食素材そのものを構成する成分の組み合わせに効果があるという見方が出来るのではないでしょうか。
体内温度をあげる食品
味噌・醤油・チーズなどの発酵食品の多く。牛蒡・レンコン・人参・生姜・山芋などの根菜類。天然塩。紅茶、海藻、小豆、黒豆など。日本酒、赤ワイン、梅酒など。が温効果のある食材とされています。
活性酸素の速やかな除去には抗酸化食品を
発生した活性酸素を分解消去する体内の酵素の働きの強化が必要です。その素材を食の中でとりこむことが、近道です。活性酸素を解毒する酵素系には、SOD、カタラーゼ、グルタチオン還元酵素等が存在します。それらの酵素の原材料である、たんぱく質や、亜鉛、鉄、銅、セレニウム、マンガンなどのミネラルを食事から取り入れることです。
酵素以外にも、直接作用するのが、カロテン、フラボノイド、クロロフィル(葉緑素)、ポリフェノール、カテキンやビタミンC(クスリとしてのアスコルビン酸ではなく、野菜や果物から摂りたいものです)やビタミンE、葉酸、CoQ10、その他植物化学栄養素等々です。
具体的には、ニンニク、タマネギ、ニラなどそれぞれの独特の臭い成分がイオウ化合物であり、強力な抗酸化作用、発ガンを抑える作用があり、血液をサラサラにする効果もある。
特にニンニクは、米国のガン予防プログラムに掲げられ、ガン抑制の可能性が認められている。その発ガン抑制物質は、イオウ化合物のS-アリルシステイン、ジアリルスルフィドなどである。
トマトの赤い色の正体はカロテノイドのひとつで強い抗酸化作用のあるリコピンという色素。ナスの皮が紫色をしているのはアントシアニン色素によるもので、その主要なものはナス特有の「ナスニン」と呼ばれる成分で、「抗酸化作用」がある。
赤ピーマンには、カロテノイドの一種である赤い色素カプサンチンやビタミンC、ビタミンEなどの発ガン抑制物質が豊富に含まれている。
人参などセリ科の植物は、強い抗酸化作用で発ガンを抑制するカロテノイドや発ガン物質を無毒化する成分が多い。ニンジンの色素からカロチンは発見され、特に、αカロテンが、β-カロテン以上の発ガン抑制効果があることが明らかになってきた。
明日葉(あしたば)の「黄汁」に含まれる、ポリフェノールの一種に発ガン抑制物質が含まれ、皮膚ガン、肺ガン、大腸ガンの発生抑制に効果があることが、明らかになった。
発ガン物質を解毒するイソチオシアナートが、ブロッコリー、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜や、わさびなどのスパイス類などに豊富に含まれている。アブラナ科の植物の中でも、ブロッコリーにはイソチオシアナートの一種である「スルフォラファン」という成分が含まれていて、発がん抑制効果が確認されている。
最近では、わさびに含まれているワサビイソチオシアナートは、ブロッコリーのスルフォラファンの約1.5倍の発ガン抑制効果があることが分かってきた。
黒ゴマには、セサミン、セサミノール配糖体など、強い抗酸化作用がある。カレーの色の元であるターメリックは和名ではウコンで生姜の1種です。その主要成分であるクルクミンは、体内で強力な抗酸化物質に変わり、ガンの予防効果を発揮することが明らかになっている。
カロテノイド、食物繊維を含み、甲状腺ガンや乳ガンなどを予防するヨウ素やフェノール類も多い。特に黒色の海藻に含まれるフコキサンチンや、海藻の表面のヌメリの主成分であるフコイダンにも発ガンの抑制効果があることが分かっている。
また海苔などの紅藻類には、ニンジンの3~4倍のβカロチンが含まれていて、ガンを抑制する効果が高い。
キノコから免疫力を高め、ガン細胞の増加を抑える「β-グルカン」が発見されました。この多糖類は身体の免疫を強化して間接的にガンを縮小させる作用をしています。β-グルカンはキノコの種類によって異なり、ぶなシメジやまいたけや、えのきだけが有名で、しいたけの成分は抗悪性腫瘍剤「レンチナン」という薬品名で、ガンの治療薬として使われている。松茸には特に抗がん作用が大きいと注目されている。
SOD酵素の材料となるセレンが多い。SOD酵素は活性酸素の害からからだを守る働きがある。セレンの抗酸化作用はビタミンEの約500倍といわれ、ガンを予防する。
「トマトが赤くなったら、医者が青くなる」、「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」といったコトワザが欧州にはあります。フィンランドの疫学調査では、普段リンゴを食べている人は食べていない人と比して、肺がん発生リスクが58%も低かったということが発表されています。リンゴに含まれるポリフェノールの1種であるケルセチンの効果ではないかとされています。
ガン対策については古くから、カロテンの豊富な緑黄色野菜の摂取などの推奨がなされてきましたが、現実に店に並ぶ野菜に、本来の栄養素が欠落してきているのは、紛れもない事実です。
路地モノの地産地食のできない人々にとって、健康サポートの為に必要なもの届けたい、それがわれわれの使命と考えています。