癌を含む生活習慣病対策【健康マイスター通信】

アメリカのマクバガン報告(1977年)と食原病。

ガン、脳血管疾患や心疾患、高血圧、糖尿病、メンタル疾患も含め、生活習慣病は、その人の生活習慣や生活環境、遺伝的要素、精神的ストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合って誘発されます。

医療費高騰に悩むフォード大統領の命により、マクバガンが中心となり、大々的な調査と検証が1975年よりスタートし、その5000頁にも及ぶ報告書が1977年に完成・提出されました。

その中心は、食生活を改めることによる、生活習慣病の予防以外、健康になる方法はないというものです。つまり、病気は、菌によってだけ起こるものではなく、食事の摂り方の歪みによっても起こることを文書として明らかにしたものです。

更に、アメリカ国立アカデミーが1982年に、「食と栄養とガン」という研究報告書を作成しています。食生活の改善がガン予防に繋がるというもので、具体的な食材と栄養を下記のように上げています。

食物繊維、抗酸化ビタミン、カロテノイド、グルタチオン、リン脂質、イオウ化合物、フェノール酸の摂取を薦めています。食物繊維、抗酸化ビタミン、カロテノイド、イオウ化合物(ニンニクなど)、フェノール酸など、ほとんどが植物由来とされるものです。

食物繊維は腸内バランスを良くします。抗酸化ビタミン、カロテノイド、イオウ化合物(ニンニクなど)、フェノール酸(ポリフェノールなど)などは、抗酸化物質、いわゆるファイトケミカルといわれるものです。そして、カロリー、脂肪、塩分の取りすぎに警鐘を鳴らしています。

食の、何に気をつければ良いのか。

ガンを含む生活習慣病対策という視点からすると、以下のものが考えられます。
・腸内バランスを良くするもの
・抗酸化物質
・血流を良くするもの
・むくみを減らす
・筋力増加に働くもの
・海馬再生の働きのあるもの
・抗ガン効果のある食材ほか

食以外では、笑い、前向きな姿勢、達成感、睡眠、適度で正しい運動といった生活行動が大切です。

腸内バランスに気をつけて。

身体は約60兆個の細胞でなりたっていますが、腸内には100~120兆個の細胞が住み着いています。ビフィズス菌や乳酸菌などの、腸内善玉菌といわれる10数種類は、B1,B2,B6,B12,E,K等のビタミン類を合成し、タンパク代謝や消化吸収の手助けもしています。また、外から入ってくる病原菌の増殖防止、腐敗の防止の働きも担っているのです。

一方、ウェルシ菌、ブドウ球菌、病原性大腸菌などの腸内悪玉菌は有害物質や活性酸素をつくり、腸内を中毒のような状態にするだけでなく、間接的に肝臓さえ痛めつけ、更には発ガン物質を産出し、便秘のもとともなるのです。

身体全体のリンパ組織のうち、70%が腸内に存在し、身体の免疫力の中心になっていることも勘案すると、如何に腸内バランスを正しくすることが大切かは自明の理といえるでしょう。

ファイトケミカルとフリーラジカル。

植物の抗酸化物質は、何のために働いているのでしょうか。まさか、人に食べてもらうために造られているわけはありません。紫外線等などからのフリーラジカルに対抗し、身を守るために植物の中、特に色として作られているものです。(色素とは限りません)

フリーラジカルに対抗しているということは、例えば農薬他の化学薬品に晒されるなどの、紫外線以外のフリーラジカルが多い環境で育てば、抗酸化物質はすでにかなりのものが使われ、食材として出回るときには枯渇に近い状態とも考えられるのです。
農薬や保存薬等に目を向ける必要がありそうです。

発ガン物質とフリーラジカル。

発ガン物質を分けると以下のようになります。
① 化学発ガン物質 : 水や食物に含まれる化学物質、タバコの煙など
② 物理学的因子  : 放射線、紫外線、熱傷など
③ 生物学的因子  : 腫瘍ウイルス、ピロリ菌、カビ菌 などそして、フリーラジカルの攻撃です。

癌発生個数を増やさない。

毎分毎秒発生し、毎分毎秒消去されているガン細胞です。ガン抑制能力がガン発生個数に対応できるほど高ければガンが病気として発症しない訳です。

逆に言うと、ガン発生個数を増やさない、ガンが喜ぶ環境を作らない and or ガン抑制能力を増強すれば、ガンが病気として発症しづらいということになります。

体内温度が1℃下がると免疫力が30%下がります。ガン細胞は35度以下の温度を好んでいます。従って、体内温度を引き上げることです。熱発量は安静時で肝臓で20%、心臓で11%、脳で18%、骨格筋で22%とされています。

その中で自分の意思で動かせるのは随意筋である骨格筋だけです。しかも、運動時には筋肉で熱発が大きくなります。より多くの熱発には筋肉を動かすことです。
しかし、老化に伴い、安静時での骨格筋での熱発は下がる一方です。実は、運動以外でも、血流をよくすることが熱発につながります。それぞれの細胞の中にも、細胞本体のDNAと異なったDNAをもっているミトコンドリアが住み着いているともいえるかたちで共存しています。ミトコンドリアは、ほとんど全ての生物の細胞内にいる細胞内構造物で、ある意味、細胞内生命体のようなものです。

ミトコンドリアは好気性の生命体で、細胞内に寄生し酸素を活用してエネルギーをつくりあげています。この作用によるエネルギーを利用して、我々は体温を保ち、運動して生きていことになっています。

血流を良くして細胞に酸素を充分送り込むには、血管を硬化させない、アテロームをつくらない、酸化LDLコレステロールを作らない、血液をさらさらにする、ストレスを減らすなどが対応として考えられます。そのための食生活が望まれるのです。

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