生きがいがない人は、ある人に比べ、病気などで死亡する割合が
1・5倍に高まる
東北大大学院医学系研究科の辻一郎教授(公衆衛生学)の研究グル
ープが、こんな調査結果をまとめた。
研究グループは、1994年に宮城県内の40~79歳の健康な
男女4万3391人の健康調査を実施。
「『生きがい』や『はり』を持って生活しているか」との質問に、
「ある」と回答したのは59%、「ない」は5%、「どちらとも言
えない」は36%だった。
このうち、7年後の2001年末までに病気にかかるなどして死亡
した3048人について、死因を追跡調査したところ、がん
(1100人)が最も多く、続いて脳卒中などの脳血管疾患
(479人)、肺炎(241人)などが多かった。
さらに、経済状況や健康状態など生きがいの有無にかかわらず、
死亡割合に影響する要因を排除して分析。その結果、生きがいが
「ない」と答えた人は、「ある」と答えた人に比べ、脳血管疾患で
死亡した割合は2・1倍高く、肺炎も1・8倍高かった。がんで
は、生きがいの有無による影響はみられなかった。
こうした病気のほか、自殺なども含めて死亡した人の割合を全体で
みると、生きがいがない人は、ある人に比べ1・5倍高かった。
辻教授は、「良好な感情を持つことは、感染症を防ぐ免疫系に良い
効果があると言われている。定年後も、社会活動への参加などで生
きがいを持ち続けることが大事だ」と話している。
(2007年2月12日 読売新聞より抜粋)
今回の調査結果では、がんに関しては「生きがい」の有無による
影響はみられないそうですが、病気になる可能性が高くなるのは
事実のようです。
近年、強いストレスや、孤独感、喪失感などが免疫力を低下させる
ということが実験の結果わかってきました。ネガティブな精神状態
は必ず免疫力を低下させます。
心理療法でポジティブな思考を取り入れて「生きがい」を見つけて
みてはいかがでしょうか。