「サボる極意」を知る

太極拳を初めて5年が過ぎました。

最初は「中国式ラジオ体操」ていどの認識で、あまり思い入れはありません
でした。
ただ、時間がたつほどに、この「武術」の奥深さを思い知らされています。

太極拳の師匠曰く、「この拳法の奥義は、いかに身体から力をぬき、”気”
を自由にコントロールできるようになるかにあります。」
ここで言う「身体」とは、もちろん「心」も含めた話です。

結婚式の挨拶を頼まれたり、会社のトップに説明を求められたり、子どもの
運動会に飛び入り参加したり。日ごろ経験のない場面に出会うと緊張して、
思わぬ大失態をしてしまうことがありますよね。

頭の中が真っ白になり、思っていることの5パーセントも言えない。
自分の足がコントロール不能になり、もんどりうって大転倒してしまう。

原因は「緊張(りきみ)」ではないでしょうか?。

太極拳では、自分の身体の緊張を知り、意識をもってその部分(もちろん気
持ちを含めて)の”力み”を開放してあげる練習をします。
ときには、目を閉じ、頭から足先、心の中まで自分の身体を見つめ直す作業
をします。

この練習、他の人から見ると、「ただ立っているだけ」「寝ているだけ」。
なにか「サボっている」ようにみえますが、じつは意識は相当に集中し、筋
肉は脱力し続けています。

スポーツ選手も自分の持てる力を最大限発揮するために身体の緊張をほぐし、
意識を集中する。体に力みがあるとスムーズな動きができず、日頃の実力を
発揮できないからです。

オリンピック選手が大試合の前に「楽しんできます。」というのは、緊張を
近づけない”おまじないの言葉”なのかもしれませんね。

「一生懸命やる。」気持ちは大切な事ですが、「緊張からくる”りきみ”」は
実力を発揮する大敵。

意識を高めて”体と精神をうまくコントロール”する「技(わざ)」。
つまり「サボる極意」を身につけてみてはいかがでしょうか?

Webサポーター 桑原

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