自然が育んだピュアで優れた食品「スーパーフード」

“海外セレブが愛用している”とか、メディアでもいろいろと取り上げられ、各方面から熱い視線が注がれる「スーパーフード」。ですが、どんな食べ物が「スーパーフード」と呼ばれているのでしょうか?そんなスーパーフード入門編として、その魅力にスポットを当ててみました。

特定の栄養素に優れバランスもよい

ではまず、スーパーフードとは何かということです。スーパーフードは特定の優れた栄養素が多く含まれていてまた全体の栄養価のバランスもよく、添加物やトランスファットといった体に有害なものも含まれていないという特徴があります。

実際のスーパーフードは、案外身近にあるものからまだ知名度の低いものまでいろいろあります。
そのいくつかを紹介してみましょう。

日本でもおなじみ。必須アミノ酸8種類を含有
◆チアシード
日本でもおなじみのスーパーフードといえば、まず第一に「チアシード」があげられるでしょう。

シソ科の一年草「チカ」の種子と知られるチアシードはメキシコ中西部などが原産で、現在も主に中南米で栽培されています。

その歴史は古く、古代インカ人たちは主食のトウモロコシや豆と一緒にチアシードを大切な食材として利用してきたと伝わっています。

チアシードの特徴は水分を含むと約10倍にも膨らむ性質にあります。この膨らんだゼリー状の成分はグルコマンナンと呼ばれ、食べると少量でも満足感を得ることができ、消化吸収にも優れています。

たんぱく質、ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛など)、ビタミンB、食物繊維、αリノレン酸、抗酸化物質などの栄養素が豊富です。また体内で合成できない必須アミノ酸9種類のうち8種類を含有します。

さらにチアシードの約3割は脂肪酸でできており、このうち6割がオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)。そのほか4割は食物繊維で占められ、そのうち95%が不溶性食物繊維で、お通じなどに役立つといわれています。

プチプチした食感がおいしく、味に癖がないのがチアシードの人気の理由の一つといえるでしょう。料理や飲み物に簡単に加えることができ、ヨーグルトやスムージーに入れたり、水分で固めてプディングにするなど、いろいろな方法で楽しむことができます。

高温加熱処理されていないものを選ぼう
◆カカオ
チョコレートの原料として知られる「カカオ」は、中央アメリカに自生するアオイ科常緑樹の実です。古代マヤ文明やアステカ文明では神を畏れ讃える神事などに用いられたといわれ、スペインからの侵略を経てヨーロッパに伝わりました。
カカオはエイジングケアに欠かせない抗酸化物質の宝庫で、ポリフェノール、カテキン、エピカテキンなどを豊富に含みます。

高温加熱処理されていないカカオはマグネシウムを非常に多く含んでいます。マグネシウムは筋肉の動きを調節したり興奮を鎮める働きがあるほか、カルシウムと密接に関わることで骨の形成に欠かせない栄養素となります。

カカオに含まれるテオプロミンにはリラックス効果があります。これはカフェインと同等の覚醒作用がありますが、非高温加熱処理の場合は穏やかに働いて自律神経を調整してくれます。

そのほかスポーツ後などに分泌するホルモンであるアナンダマイトも含まれていることから、活力に満ちて行動できるようになり、幸福感を感じたときに分泌するPEA(フェニルエチルアミン)やセロトニンも含有しているところが大きな特色といえるでしょう。

なお、動物性油脂やマーガリンなどに含まれるトランスファットの過剰摂取により成人病のリスクが高まることが知られています。カカオにはオメガ6が含まれますが、高温処理されると酸化が進んでトランスファット化されることが分かっています。このためロー(高温加熱処理されていない)のカカオを選ぶことが大切なのです。

インカ帝国でも薬草として珍重
◆マカ
今では天然の精力剤として有名な「マカ」ですが、かつてインカ帝国時代には、栄養価が高く薬草としても珍重されていたといいます。
標高4000m級を誇るアンデス高地の苛酷な環境で栽培されるマカは、昼夜の気温差、強風、極寒、強い紫外線など苛酷な環境にさらされ育ったことから、強い生命力と豊富な栄養分を蓄えたといわれています。そしてインカの王族や戦士たちは、体力をつけるためにマカを摂ったと伝えられています。

精力剤、不妊治療剤として使われおり、恒常性維持機能を高めるアルカイド、サポニンをはじめ、成長ホルモンの分泌を促すアルギニン、男性・女性ホルモンを整えるのに良いとされる成分などが、数多く含まれています。

またマカは、持久力、自然治癒力の向上、疲労回復、免疫力の向上など、滋養強壮効果があることでも知られています。味覚障害によいとされる亜鉛、貧血防止になる鉄分、たんぱく質の素材となる必須アミノ酸が豊富に含まれています。

アマゾン流域の奇跡のフルーツ
◆アサイー
アサイーはブラジル・アマゾンが原産のヤシ科の植物の実。アマゾンの先住民たちは古くから、赤道直下の苛酷な環境で生き抜くためのスタミナ源としてこの果実を大切にしてきました。

アサイーは劣化が早いことからかつてはアマゾン流域の地域のみで知られる存在でしたが、冷凍貯蔵技術の進歩に伴いブラジルでも一般的に食されるようになり、今では”強い生命力と抗酸化力を併せ持った奇跡のフルーツ”として、世界的なブームを巻き起こしています。

必須脂肪酸(オレイン酸)、アミノ酸、食物繊維、ビタミン類、鉄分、カルシウム、亜鉛、ポリフェノールなどが豊富に含まれています。ポリフェノールは赤ワインの30倍もあるほかアントシアニンも多く、眼精疲労やシミ・シワの防止などによいとされています。

また含有するアミノ酸のバランスに優れており、疲労回復効果があるといわれています。

近年、食用として脚光浴びる「麻」
◆ヘンプ
ヒマラヤ山脈の一角に位置する中央アジアが原産といわれる「ヘンプ」とは麻のこと。アサ科アサ属のヘンプは植物の中でも大変生育が早く、熱帯から寒冷地まで世界中で栽培されるなど、強い生命力を誇ります。日本でも古来から自生し、20世紀半ばになると、法律で厳しく管理しながらも世界中の国々でで栽培、所持、利用されるようになりました。

近年になって産業目的で品種改良された麻(ヘンプ)が大きく注目されるようになりました。これらは麻薬成分が含まれるカンナビスとは区別されており、食用として利用すると健康によいさまざまな働きが期待されています。

食用のヘンプには生命の維持に不可欠な鉄・銅・亜鉛・マグネシウムなどのミネラルが豊富で、不溶性食物繊維も多く含んでいます。

また6種類全ての必須脂肪酸が含まれており、アルファ・リノレン酸(オメガ3)とリノール酸(オメガ6)が非常に理想的な割合で含まれています。

またオメガ6系の脂肪酸の一種であるガンマ(γ)リノレン酸を含んでおり、血圧やLDLコレステロール値、血糖値を低下させる効果に加え、正常で健康な皮膚の機能に役立つとされ、炎症を抑えるプロスタグランジンE2の原料になることから欧米などではアトピー性皮膚炎と関節炎の治療にも使われています。

たんぱく質も非常に豊富で、自給系アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロシンの3つの必須アミノ酸)が天然成分として含まれています。

中国では3000年以上前から薬用利用
◆クコの実
中国原産のナス科の落葉低木の「クコ」は赤い実をつけることで知られています。中国では3000年以上前から薬用として利用されてきたといわれ、平安時代に日本へ伝わり、食用や薬として長年親しまれてきました。近年は欧米諸国でもその高い栄養価が注目され人気を集めています。

クコの実には、アルギニン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸が含まれています。これらのアミノ酸はカリウムやマグネシウムと結びつくことで疲労回復や代謝促進に役立つとされています。

そしてクコに含まれるβカロチンは体内に入るとビタミンAに変化し、視力回復などに役立つといわれています。さらに強壮効果が期待できるゼアキサンチン、フィリイエンはビタビンB1、B2、ルチンなどが毛細血管を活性化することから高血圧や低血圧の改善や動脈効果予防などに役立つといわれています。

またクコが含有する多糖類はインシュリンの働きを良好にし血糖値を下げる働きがあり、血中コレストロール値や中性脂肪を下げる効果も期待できます。
なお、血圧を下げる作用があるので低血圧などの人は摂り過ぎに注意する必要があります。

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