ココナッツオイルは、飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸に比べて、酸化しずらいので、長期保存が出来、その品質を長く保つことが出来ます。
また、ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸なので、代謝がよく、おなかにたまりません。
体脂肪となって蓄積されることがないので、体重が気になる方には最適な油と言えます。
飽和脂肪酸というと、他に、マーガリンやショートニング、動物性の脂身など、トランス脂肪酸を含むものが多く、身体に悪いという印象を受けますが、ココナッツオイルはトランス脂肪酸を含みません。
牛や豚などの動物は人間よりも体温が高いため、その脂身の融解温度も人間の体温よりも高くなります。ですので、動物性の脂が身体に入っても溶けづらく、ドロドロしているため、想像するだけで身体によくないことがわかります。
同じ飽和脂肪酸でもココナッツオイルは植物性ですので、20-25度で液体となるので、人間の身体の中でもサラサラと流れます。また、熱にも強く、揚げ物や炒め物料理にも最適です。もちろん、酵素が壊れてしまうので熱を加えず、生のまま食べてもらえるほうが身体にはよいです。
また、ココナッツオイルには、ラウリン酸という成分が約半分近くを占めています。これは、母乳にも含まれている成分で、赤ちゃんの免疫力を高める作用があることがわかっています。
ラウリン酸は、体内でモノラウリンに変化します。
モノラウリンは、免疫系を様々な感染因子から保護する抗菌物質です。モノラウリンを高濃度に含む天然の食品は、母乳とココナッツオイルだけです。
ラウリン酸は、微生物学者達が新生児を細菌感染から保護する抗菌物質を求めて母乳の研究をした際に発見されました。
モノラウリンは、ヘルペス、サイトメガロウイルス、インフルエンザ(さらにエイズウイルスも含む)などの脂質包膜化ウイルスや、さまざまな病原バクテリアおよび原生生物を破壊することで作用します。
モノラウリンは、ウイルスの脂質/蛋白質外膜に結合することで、宿主細胞への結合や侵入を防ぎ、感染や増殖を抑えます。モノラウリンがウイルスの外膜を分解して、ウイルスを死滅させるという別の研究もあります。
一般的に、モノラウリンは、風邪、流感、EBV、帯状疱疹、ヘルペス、慢性疲労症候群の治療補助となります。
ラウリン酸は、熱を加えてもその成分がなくなったりすることはなく、また、免疫力を高めるという作用も変わることはありません。
最近の研究で、ココナッツオイルはアツルハイマー病にも良いということがわかってきました。
アルツハイマー病は、グルコースをエネルギーとして利用するために必要なインスリンの分泌が悪くなり、血液中の血糖値が高いままで脳の働きがわるくなることが原因であることがわかってきました。グルコースに変わるエネルギーがケトン体と呼ばれる物質ですが、このケトン体が神経細胞の活性を元に戻し、アルツハイマー病の症状を改善させることができると言われています。
ケトン体は、肝臓で生成することも可能ですが、ココナッツオイルには、ケトン体を多く含み、摂取しやすいことがわかってきています。ケトン体はヤシ系の植物に多く含まれており、他にババスオイル、パームオイルなどに含まれますが、その中でもココナッツが一番含まれています。
※脂肪酸は、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合があるかないかで分類する場合と、炭素数の数によって分類する場合があります。炭素鎖に二重結合あるいは三重結合がないものを飽和脂肪酸と言い、あるものを不飽和脂肪酸といいます。
炭素数の数が7以下の脂肪酸を短鎖脂肪酸、8-10の脂肪酸を中鎖脂肪酸、11以上の脂肪酸を長鎖脂肪酸といいます。吸収が早く、すぐエネルギーとなるので体内に蓄積されにくいと言われている中鎖脂肪酸は、母乳・牛乳・ココナツ油などに含まれています。