抗酸化物質(ファィトケミカル等)は、腐敗にも対抗しています。
植物の薬効で一般化しているのが、大きく①カロテノイド群、②ポリフェノール・フラボノイド群、③ニンニクに含まれるアリシンなどの硫黄化合物群に分類される、1万種類位はあるファイトケミカルです。
何故、ミイラは腐らなかったのでしょうか。化学物質に守られていたのでしょうか。太古の昔に化学薬品などそれほどあるわけはありません。身体の中に様々なハーブ・薬草が詰められていたからではないかということが、抗酸化物質の研究のきっかけだったという説があります。
常温で茹で卵を、上からガラスの容器でかぶせ、一方は卵単独、他方は摩り下ろしたニンニクを横に置くという、ニンニクとゆで卵の実験がなされています。卵単独のほうの腐敗がスタートしても、ニンニクを横に置いているほうは腐敗が進まなかったとの結果が発表されています。
色素から発見された様々な抗酸化物質(フィトケミカル等)
ファイトケミカルの語彙は、通常の身体機能維持には必要とされないが、健康によい影響を与えるかもしれない植物由来の化合物のことです。その中で、βカロテンは人参の色素から、フラボノイドはイチョウの色素、クロロフィルは葉緑素から発見されています。
植物ではありませんが、いま話題のアスタキサンチンは鮭の色素から発見されているのです。南国の色鮮やかな魚たち、この色も太陽による酸化から身を守るためのものです。
太陽の害から身を守るための物質であるとすれば、太陽光にあたらない栽培野菜ではファイトケミカルは少ないということになります。
ファィトケミカル(抗酸化物質等)は、化学物質にも対抗しています。
この60年の間だけで、食べ物に3500以上の新しい化学物質が加えられてきて、身体の中の鉛や銅やカドミウムやアルミといった金属は、祖先と比べて700倍も高くなっています。人々が一年間に消費する野菜や果物や穀類には、多大な殺虫剤と除草剤が散布されており、養殖魚類もまた、様々な薬漬けとなっています。
イギリスの調査では、食品に加えられている化学的添加物は、一人当たり約4.5kgに達しているとのことですが、日本の実情も大差ありません。
ファイトケミカルは人間に食されるために、作られたわけではありません。本来、植物自身の身を守るための物質です。従って、植物の抗酸化物質は、農薬や化学物質に対しても、自らを守るために使われているのです。化学薬品だらけの栽培であるなら、本来あるべき抗酸化物質は減ってしまっているのです。
年がら年中、時期に関係なくスーパー等で販売されている野菜は、旬の路地モノと比べて、ビタミン・ミネラル分が少ないだけでなく、ファイトケミカルも少なくなっているのです。
健康マイスター通信より抜粋