今、使っている塩は体に良い塩ですか?

今、使っている塩は体に良い塩ですか?

毎日かならず食事から摂取する塩。ついつい無頓着に塩を使っていませんか?毎日つきあうからこそ、体のことを考えて体に良い塩選びをしたいものです。

1997年に塩専売制度が廃止され、販売自由化が進んだことにより、今では数千種類の塩が市場に出回っています。「家庭用塩の消費実態調査」(塩事業センター実施)によると、『塩』へのこだわりが「ある」と答えた人は64.9%に達しています。しかし、自分の選んだ塩が本当に良い塩なのでしょうか?良い塩と悪い塩を見極める方法を、誰も知らないのが実情ではないでしょうか?

●原材料の違い

塩は、海水から作る方法のほかに、岩塩や地下かん水(塩分濃度の高い地下水)、塩湖(濃い塩水の湖)から作る方法があります。世界の塩生産量の約3分の2は岩塩や地下かん水から作られています。

日本には岩塩がないため、海水から作る方法を採用しています。海水から作る方法にも2通りあります。ひとつは、海水を窯で煮詰めて作る方法。もうひとつは、天日と風で自然乾燥する方法です。「天日製塩」は、乾燥した気候と広大な土地を利用して1~2年もかけて結晶を取り出します。自然を活用した方法として、オーガニック志向の消費者から高い評価を得ているのはこのためです。

●塩にも添加物が入る!

塩が固まるのを防ぐために、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸などが添加されているものがあります。また、うま味調味料(グルタミン酸ナトリウムなど)が入った塩もあります。添加物が気になる方は、パッケージにある原材料名欄を確認しましょう。また、苦汁(にがり)の量は栄養成分表示のマグネシウムの量で確認します。

●製塩法の違い

日本における塩作りの方法は、一般に自然太陽光による「塩田法」と、海水をいったん濃縮した後に煮詰める「イオン交換膜製塩法」「揚浜式製塩法」があります。

一番悪いのは電気の力を利用して海水を濃縮する「イオン交換膜製塩法」です。これはほとんどのミネラルを採ってしまうのです。これこそ、体の害のある塩化ナトリウム塩なのです。

体に良い塩、体に悪い塩

簡単に体に良い塩と、体に悪い塩を見極める方法として、まず、海水と同じ塩分濃度となるように、水1リットルに対して34gの塩を溶かしてみます。その塩水のなかで海水魚が生きていられる状態であれば、本物の海水と比べても遜色ないことがわかります。また、なめくじに塩をかけると縮んでしまいます。実はこれは悪い塩です。

なぜならば、害虫でも生き物を殺してしまうほど強力な殺菌力をもっていることになり、人体への影響について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。また、体に良い塩は抗酸化の面でも力を発揮します。人間の体は、老化や活性酸素の影響によって徐々に酸化していきます。体に良い塩には、こうした酸化を早めない作用(抗酸化作用)の働きがあることが知られています。良い塩の場合、多めに塩を溶かした塩水(塩が底に沈殿する程度)にクギを入れても錆びさせませんので、ご家庭で試してみてはいかがでしょうか。

さらに、良い塩とは体内に蓄積されにくい塩のことです。塩の販売が1949年、独占で販売されるようになり、急激に増加したのが生活習慣病です。なぜ体内に蓄積されるかというと、それは塩の中に入っているミネラルの量とバランスなのです。特にカリウム、マグネシウム、カルシウムの量とバランが大切です。

こんなにあります! 体に良い塩の活用法

体に良い塩は料理に使えるだけではありません。ホットミルクに珪素を含む塩をひとつまみ入れるとカルシウムが吸収されて精神状態が安定し心地よく眠れます。その他にも入浴剤、鍋やまな板の頑固な汚れ落とし、コットンや麻の黄ばみ落とし、歯磨き、塩枕、シャンプー替わりの洗髪にと活用法はさまざまです。

体内での塩のはたらき

●細胞を正常に保つ

体内の塩分は細胞外液の中に含まれており、細胞が縮みすぎたり、膨らみすぎて壊れたりしないように調節する役割を果たしている。

●消化と吸収を助ける

食べた物を消化するための消化液も塩から作られる。塩化物イオンは胃酸の主成分となって消化を助け、悪い菌を殺菌。ナトリウムイオンは小腸で栄養素の吸収を助ける。

●刺激を伝達する

温かさや冷たさなどの刺激を脳に伝え、また逆に脳からの命令を筋肉に伝えるのが神経細胞からの電気信号。この伝達にはナトリウムイオンが関係している。

塩分が欠乏すると起こる症状

●細胞内外の浸透圧のバランスが保てなくなる

⇒脱水症状とそれに伴う口の渇き、頭痛、吐き気など

●細胞外液が減少する

⇒血圧の低下、めまい、立ちくらみ

●体液のpHが酸性に傾く

⇒倦怠感、精神不安定、眠気

●筋肉の刺激に対する反応性が低下

⇒脱力感

このような症状を自覚した時には、原因のひとつとして塩分の欠乏が考えられる。特に夏場、汗をかきすぎた時などにこうした症状が出た場合は、水だけでなく同時に適切な量の塩分を摂取することも必要である。

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