タヒボジャパンでは、販売店会議を東京・大阪を含む各地で行っています。去る5月24日、東京八重洲ホールで第12回タヒボ販売店会議を実施しました。
健康食品や代替医療に関する最新情報、薬事法の知識などを講師を迎えて学習し、悩むお客様に、よりお役に立つにはどうすればよいか、意見や体験を出し合い、日々の活動に生かしています。
詳しい内容や実験結果については薬事法上、お知らせすることができませんが、公表してよい範囲で私たちが学習した内容をお伝えします。
【特別講演(テーマ:補完代替医療の現状と展望~共同研究に寄せて~講師:大野智先生)】
[大野智先生プロフィール]
●早稲田大学 先端科学健康医療融合研究機構 客員准教授
●研究テーマ:癌の免疫療法、癌の補完代替医療
●厚生労働省癌研究助成金による研究班所属
●平成17~20年 「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班にて、がんの補完代替医療ガイドブックの作成に携わる他、癌患者を対象とした機能性食品による臨床試験も実施。
●平成21~23年度 「がんの代替医療の科学的検証に関する研究」班にて、がんの補完代替医療ガイドブックの改訂作業に携わる他、代替医療の著効例を収集する取り組みを現在行っている。
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1、はじめに
◎補完代替医療とは、「現時点では通常医療と見なされていない医療・ヘルスケアシステム、施術、生成物などの総称」と定義されています。次のようなものがあります。
■生物学的療法・・・サプリ、ハーブ、特殊食品
■エネルギー療法・・・気功、電磁療法、霊気
■手技や身体によるもの・・・マッサージ、整体、温熱、鍼灸
■精神ー身体療法・・・瞑想、催眠、ヨガ、音楽
◎医療現場の疾患構造に変化が見られ、急性疾患(感染症)が減り、慢性疾患(癌、生活習慣病)が中心となっています。
患者の意識構造においては、「先生におまかせします」という受動型から、「この治療を受けたい」という能動型に変わってきました。
3.機能性食品の科学的検証(効果がある、というためには)
*次のような記事をよく見かけます。本当に効果があると言えるでしょうか?
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A.「胃がんと診断され、手術もできず、余命半年と主治医に宣告された。知人から○○を勧められ、飲み始めると、食欲が回復し、体重も増え、1年経過した今でも元気でいる。△△市在住 53歳女性」
B.「活性酸素はDNAを傷つけ、DNAが傷つくと、正常な細胞は癌細胞に変化する。○○は、ビタミンCの1000倍もの活性酸素消去機能を持っている。癌予防に○○を利用してみて下さい。□□大学 医学博士××教授」
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Aの記事は、正確なデーターがわかりません。病理診断結果や治療暦、○○の摂取量、現状把握(癌は消えたのか?)などです。
Bでは、活性酸素と癌の相関関係は、まだ仮設の段階ですし、医学博士は臨床経験のない者でも、大学院に進学すれば、医学博士と名乗れます。
よく「培養細胞や実験動物で有効性を確認!」と訴える記事もみかけますが、それはヒトの治療薬になる可能性がある(有効である、有力である、ではない)という意味です。
*情報は玉石混淆(すぐれたものとつまらないものが入り混じって区別がつかないこと)です。さまざまな情報の中から、「真実」だけを選りすぐる作業が必要で、その作業を医学・医療に関して系統的に行うための手順がEBM(科学的根拠に基づいた医療)なのです。
健康食品の科学的根拠としての臨床試験(特にランダム化比較試験)は非常に少なく、また臨床試験を行う上で必要な情報は大変少ないです。
私は厚労省がん研究助成金における研究班で「がんの代替医療における有効症例の調査研究」に関わり、代替医療の著効例を収集する取り組みを行っています。
◎最後に、経済産業省の健康食品関連のニュースについてお話しします。
「80歳でも元気に自立して暮らせる」
「健やかに成長し心身ともに健康な日々をおくれる」
健康家計簿プロジェクト
を国が掲げています。その中に、新産業の創造への展開として、補完代替医療・機能性食品・サプリメントが項目の1つとして明記されています。
また、管首相は「2015年までに農産物、工業製品、サービスなど、すべての商品について、例外なしに関税その他の貿易障壁を撤廃する」というTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉参加に関する結論を6月までに出す、と2011年1月29日の世界経済フォーラム年次総会で発言しました。
現在、健康食品の関連法案には、規制の法律しかありません。健康食品の効能を表示するには、科学的根拠が必要です。もし、TPPを締結すれば、アメリカのように、「この××という健康食品は、○○に効きます」と表示することができます。しかし、一方で無法地帯になりはしないかという危惧もあります。
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