食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.03) 猪股恵喜氏講演から

千年前の食品舎・舎長の猪股恵喜氏の講演会「魚は丸ごと食べなアカンよ!」の第3回(最終回)をお届けします。猪股氏は、体内にたまった毒を体外に出すためには、小魚などを頭から尻尾まで全て食する”まるごと”の食が大切と訴えています。

講演する猪股恵喜氏
講演する猪股恵喜氏

日本の食と玄米食の真実

今から話すことは、皆さんに身近な玄米についてです。これは、いろいろな悲劇を生んでいますが、玄米食の発芽実験をしたことがある人は大丈夫だと思います。
実は日本人は玄米食をした経験がないんです。玄米を食べている人の拠りどころは、”日本人は玄米を食べてきた”という思い込みであり、そのようなことが刷り込まれてきました。
種は条件さえ整えば何千年でも腐らない。それは植物の種の中のある成分が左右しています。種というのは賢く子孫を残すため、小さな種の中にたんぱく質ではなくて脂質でためようとする。だから、ゴマって油だらけでしょう。たんぱく質と脂質でエネルギー効率が倍くらい違います。
日本人がなぜ玄米を食べてこなかったなというと、アブシジン酸という毒があるためなのです。これは160度で壊れるので、太古の時代はモミを燃やして食べていました。
このアブシジン酸は種を残すための毒があり、別名、発芽抑制因子といいます。「春まで絶対に芽を出さないぞ」というホルモンがこのアブシジン酸で、動物に食べ尽くされたら種が残せないので適度な毒があります。だからスズメが食べているのは、あれはアブシジン酸ができる前のクリーミーな状態のモミを食べています。これが玄米の糠に入っています。
では、どうしたらアブシジン酸を消すことができるのか。12時間水につけると、条件が整ってさあ芽を出してもよいということになり、アブシジン酸は消えてしまいます。分づき米にして12時間水につけて毒性を消して少量のマキの熱量で炊くことができたわけです。
結果として日本人は玄米を食べられませんでした。
ところが発芽玄米って売っているでしょう。発芽玄米は、実は毒性が一番強いので十分に注意することが必要です。その理由は次の通りです。
1回発芽させた発芽玄米は、濡れたまま売るわけにはいかないので乾燥させます。乾燥させるとアブシジン酸が倍に増えているのです。
もちろん、全部まるごと食べると”よいことがある”というのは当たり前なんですよ。だって命を頂くわけですから。本当は日本人も玄米を食べた方がよいです。
ただ、今の玄米は温風乾燥をするものもあるので温度管理を間違うと種が死んでしまい、水につけてもアブシジン酸が消えないのですよね。
だから玄米を水につけててもいいし、脱脂綿の上に置いてもいいし、早ければ次の日には芽が出ます。そうして試したものは食べても大丈夫です。

まるごと食べると体内の毒が出る

奈良の大仏はご存知だと思いますが、ここに全体食(まるごと)と深く関わる事実が秘められています。
大仏には金メッキが施されていますが、電気がない時代にどうやって金メッキをしたかということですが、大量の水銀が用いられていました。水銀の中に金を入れて溶かしペンキ状にして塗布していたのです。そこに松明の炎を当てて600度以上にすると水銀が蒸発して金メッキになるというもので、昔はこのようなやり方でメッキをしていました。
だいたい水銀が5、金が1ぐらいの比率でメッキができる。だから奈良時代に60トンぐらいの水銀、約9トンの金が使われた計算になります。
ところが気化した水銀の毒が奈良盆地を覆ってしまい、それで正体不明の病気が出てきて遷都を強いられたといわれています。昔だから鉛の毒も”たたり”としか思えなかったのかも知れません。
水銀や重金属は怖い存在です。気化した水銀は猛毒で血液を駄目にしてしまうなどの重大なダメージを与えます。
“酵素”という言葉をよく聞くと思います。鍵と鍵穴の関係にあるのが酵素で、例えばここに亜鉛が入るとインシュリンができる。つまりインシュリンをつくる酵素は亜鉛が入るとはじめて亜鉛が作れるのです。ところが水銀などの重金属はこれを乗っ取ってしまいます。だから血液や酵素を乗っ取ったりして神経毒になったりするわけです。
この間、お世話になっている社長さんが面白いお話をしてくれました。
その方のお父さんは刺身が大好きで毎日、丼いっぱいに刺身を食べているそうです。ところが刺身ばっかり食べていると、内臓や骨、頭だとかは捨てているわけで、魚体の4割しか食べていないことになります。
ということは重金属が体内に蓄えられていることになります。それを外に出すための力は捨てている6割のところに入っているということでした。だからまるごと食べるのが一番よいのです。
アザラシとかイルカの肝臓を調べると、セレニウムがちゃんとあります。セレニウムや亜鉛には、悪い作用を抑える拮抗作用があり、毒を外に出してくれるのです。

全てを生かす発想で生まれた「だし&栄養スープ」

だし&栄養スープ

だし&栄養スープ

だし&栄養スープの開発に関してですが、私の親戚が50年掛けて製品化に取り組んできました。
本業は珍味屋さんで、毎日、製品を作るため魚の頭、内臓、骨、尻尾を捨て、命を捧げてくれるものを無駄にしてしまうことに疑問を感じ「これはダメだ、魚をまるごと生かすことを考えろ」ということになりました。そしてようやくだし&栄養スープに行き着ました。
普通のだしでは脂が酸化しますが、だし&栄養スープは酸化しないのが特色です。5年たっても6年たっても変化しません。そして製法に工夫し、スープには骨もまるごと溶けています。そこにも秘密があるのです。
圧力釜が有害だと聞いたことがある人もいるかと思います。高温を与えることでアミノ酸が変性して栄養が落ちてしまうのです。L型アミノ酸がD型に変わります。
このため、だし&栄養スープでは、圧力を与えて一瞬で気圧を下げ、低い温度で沸騰するようにして、骨まで乳化しています。
そして、くろごも”まるごと”です。まるごとではどういうことが起きるかというと、栄養以前のエネルギー体を食べることになります。お米は1粒で1000~1500粒分、ゴマでは4800~5000粒分の生命を生むエネルギーが宿っているのです。
重ねて申しますが、食べ物に善悪はありません。食べる方法、食べる時間帯、誰と食べるか、食べる量、こういう要素で食べ物が悪者にされてしまいます。ですが、食べ物が悪いといって変な食事療法をしてしまうとストレスがたまってしまいます。
食は癒しだからストレスの元になったら本末転倒です。変な健康法よりも私は食べ物をおいしくいただく方が皆さんが元気になれると思います。”囚われ”は人生を楽しくないものにしてしまうのです。
小さな魚は、できるだけまるごと食べて、毒を体外に出すようにしたいものです。ただ、必要以上に部分食、全体食にこだわり過ぎず、それが命に報いる道でもありますので、”できればまるごと食べたいですね”ということです。
くろごもだし&栄養スープも命を何も捨てていない、食べ物の尊い生命力をまるごといただく食品ですので、ぜひ朝食に導入してみて下さい。
<完>
「食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる」(全3回)
講演会「魚は丸ごと食べなアカンよ!」から
講演者:猪股恵喜 氏(千年前の食品舎 舎長)
猪股恵喜さんの講演は今回で終了です。
温かい人柄が滲み出る語り口で「食は癒し」、「食べ物には善悪がないから、おいしく食べたらよいと思います」とおっしゃる猪股さんのお話は、健康のため毎日の食事に気を使う人にとって、大きな救いになることでしょう。多忙で苛酷な環境の中で暮らす現代人が、人間らしく生活していくための大事な知恵として、今回のお話をいろいろと生かしていきたいものですね。
・食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.01)
・食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.02)

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