食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.01) 猪股恵喜氏講演から

千年前の食品舎・舎長の猪股恵喜氏の講演会「魚は丸ごと食べなアカンよ!」を3回のシリーズでお届けします。「くうふく自然良法普及会」の会長も務める猪股氏は、忙しい現代人の健康について、食習慣や時間医学の観点から朝食の問題点を指摘。また食べ物の命に報いる”まるごと”の食を提唱しています。

講演する猪股恵喜氏

講演する猪股恵喜氏

愛情こめた朝食が招く現代の悲劇

まず、「千年前の食品舎」という名称についてですが、人が千年も食べ続けた食品は長い年月の中で安全性が認められているということで命名しました。
これは古代食のことですが、もちろん千年前の食品を売っているいるわけではありません。私どもで扱っている「古代食くろご粉末食品」、「だし&栄養スープ」は野生種の機能性食品で、人は1日1回”野性”を食べると、元気になれると考えています。
そして私は「くうふく自然良法普及会」というのをやっているんですけど、西医学などの書籍を読むと、朝食有害説だとか、いろいろな話がありますよね。その裏付けを今から皆様にお見せしようと思います。
では、例えば独身男性がきれいなお嫁さんを見つけて結婚したとします。奥様が手づくりした弁当や朝食を、そのご主人は毎日欠かさずとるわけです。そして朝食をしっかり食べる習慣を3年ぐらい続けると糖尿病予備軍になります。だからご主人には朝ご飯を食べさせては駄目なのです。
その理由を説明しましょう。日本は世界でも経済大国と呼ばれていますが、その最前線で働く企業戦士は晩御飯が遅いんです。午後5~6時に食べれるわけがない。10時前後というのが普通です。
しかも奥様が愛情をこめて作ってくれた食事なので当然おいしいから、余計に食べてしまう。そのまま胃袋に食べたものを持った状態で次の日の朝を迎えると、奥様はご主人のために朝食を用意する。
テレビとかでは「朝食は食べなあかんよ。朝食を抜いた子どもが学校で倒れるんだよ。頭の回転が悪くなるよ」と、盛んに言っています。それを信じて奥様たちは、ご主人のことを考えて真剣に朝食を作るわけですね。
糖尿病で済めばよいけれど、腎臓にまできたりね。経済的には買った服があわなくなる。一度出た腹をへこますのには並々ならぬ努力が必要です。年を取ると人の細胞は減っていきますが、脂肪細胞が膨らんでカバーするという皮肉なことが起きます。

満腹のリンパ球は働かない

それでは、なぜ”朝食がダメか”というメカニズムをご覧いただきます。
これは米国のゴーラム博士からいただいている映像で、この画像はリンパ球が癌細胞に食べられているところです(写真=1)。なぜこういうことが起こるのでしょうか。

写真=1 リンパ球が癌細胞に食べられているところ

写真=1 リンパ球が癌細胞に食べられているところ

通常、リンパ球は血液中の汚れを貪食して掃除します。食べ物は栄養にもなりますが、消化できないものは、血液中にいろんな毒物として未消化物として表れます。お腹が空いたリンパ球はそれを食べるんですよ。
ところが晩御飯が胃袋に残ったまま朝ご飯をしっかり食べると、リンパ球は満腹なので、癌細胞が来ても無視してしまうのです。もっとショッキングな写真は、癌細胞によってリンパ球が崩壊している様子(写真=2)です。

写真=2 癌細胞によってリンパ球が崩壊

写真=2 癌細胞によってリンパ球が崩壊

良かれと思って用意した朝食が、ご主人の体の中でこのような現象を招いている。しかも職場ではストレスが山ほどあります。ストレスがあるとリンパ球も当然、元気がなくなってしまう。
朝食は運命を変える要素が強いのです。朝食をしっかり食べる人ほどこういう現象が起きやすい。
今度は朝ご飯を食べない人の場合ですが、NK細胞が癌細胞を殺しています(写真=3)。お腹が空いているとこの現象が活発になります。お腹が空いたリンパ球からしてみたら癌細胞ってごちそうなんですね。がぶっと食べてしまう。癌に食べられてしまうか、それとも食べてしまうのか、それは朝食に掛かっています。

写真=3 NK細胞が癌細胞を殺している

写真=3 NK細胞が癌細胞を殺している

25~26歳になると、人は1日10億個の細胞が失われる

人間は25、26歳を過ぎると、1日で細胞が10億個減っていきます。日本人の平均寿命をみると、男性が79.55歳、女性が86.30歳。いろいろな説があるのですけど、生理期間の年数がこの寿命の差に表れているという話もあります。要するに、汚れたものを捨てる力が女性は神様から授けられていて、男性より長生きするということです。
ところが健康寿命では、男性は介護を9年以上受けなければならないのです。女性の場合はもっと悲惨で約13年介護が必要とのことです。親御さんの介護をした経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、朝食がそれを決めてしまうのです。
何で日本に朝食が広がったかというと、昔、道元という曹洞宗をひらいた偉いお坊さんがいて、中国から朝粥の習慣を持ってきたのです。それが朝食として武家社会で普及し、元禄時代になり武家から商人へ広がったと言われています。世界的にみても朝食を食べる食文化が生まれ普及したのは近代以降です。
現代の食べ物は不可思議な世界に入ってきていて、飢えを救った反面、病人も作り出しました。
我々が今ここに存在する起源は35億年~40億年前とかいろいろな説がありますが、だれか祖先の一人が欠けたら私たちはここにいないといえます。我々は強い祖先から命をいただいているのです。
植物の世界もそうです。何代何代と延々と続いても一つ弱い植物が出てくると子孫が残せず種が途絶えます。
ところが農薬とか化学肥料が出てきて、本来は強者しか残れないのに弱者がそのまま成長してしまいました。どういうことが起きてきたかというと、食べ物に生命力がなくなってきた。食べ物というのは栄養である以前に生命力なので、朝はその生命力を食べるべきなのです。

時間医学で見えてくる食と健康

そして”朝ご飯を食べない方がよい”というもう一つの理屈が「時間医学」です。
時間医学とは生体リズムを研究する学問の考え方を医学分野に取り入れたもので、欧米では19世紀から研究が進められてきました。ある特定の病気が発症しやすい時間帯を見つけて、病気予防や治療に生かす試みを行っています。
例えば午前4時から正午までは、人の体では排泄の時間帯です。朝起きて黄色いおしっこがでるのは、腎臓が血液をろ過して汚れを集め排泄するという仕組みがあるからです。おしっこが溜まってくると目が覚めるようになっています。それを邪魔するのが朝食です。食べると消化に血液を使うから排泄ができないのです。
ただ成長期の子どもは別で、1日に5回でも6回でも食べさせてもよいです。
1日で10億個の細胞が減っていく体になってきても、食べ物を減らさないからおかしくなってくる。しかも朝食も減らさないから排泄ができなくなる。夜中にできた老廃物を出さないのですよ。
正午から午後8時までの時間帯が消化に適しているのです。肉を食べたかったらお昼ご飯で食べればよいのですよ。
だから夜8時を過ぎて、仕事で疲れ果てて帰宅したご主人に晩御飯で肉を出すのはちょっと可哀想ですね。たぶん消化できない。肉は消化に8時間ぐらい掛かります。
・食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.02)
・食べ物の生命力をいただく食事が健康つくる(Vol.03)

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