マクロファージを制御するグラム陰性細菌(LPS)の威力

先日、スケアクロウの免疫学特別セミナーにスタッフ2名で参加させていただきました。

その中で、国立香川大学医学部 統合免疫システム学講座 客員准教授 薬学博士の稲川裕之先生の免疫学、およびグラム陰性最近(LPS)のお話が大変勉強になったので、記載したいと思います。

2011年の調査で、男性の平均寿命が79.6歳、女性は86.3歳だそうです。

しかし、健康寿命というと、男性70.4歳、女性73.6歳で、その差、男性9.2年、女性12.7年は、日常生活に支障をきたした状態、つまり、寝たきりの生活で介護を必要とするということです。

せっかく、世界でも一番の長寿国といわれても、最後の残りの人生10年間が寝たきりなんてそんな悲しいことはありません。

中でも独身男性は、食事管理が出来ておらず、喫煙、飲酒、仕事でのストレスと、既婚男性に比べて寿命が短いそうです(米国のデータ)。
身体に悪いものには、

酸化脂質
AGEs(最終糖化産物)
変性たんぱく質

などがあります。
AGEsとは、たんぱく質と糖が結合したものです。これが炎症を起こし、老化の原因になったり、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病につながり、今、大変注目されています。

今の医療は限界を迎えています。薬といえば、症状を押さえ込み、抑制するものが多く、根本的な身体に毒となっている酸化脂質、AGEs(最終糖化産物)変性たんぱく質を取り除くことが出来ていないからです。

正しい食事をとりましょう。
· 血糖値を高くしない
· 抗酸化作用→赤ワイン、緑黄色野菜、コーヒー(ポリフェノール)
· 食物繊維(整腸作用)
· 免疫活性

血糖値が上昇すると、身体の中にAGEsが出来てしまいますので、血糖値を高くあげないようにすることが大切です。

血糖値をコントロールするには、GI値を目安にするとよいです。GI値は、糖質量や消化のスピードなどで決まります。GI値が低ければ低いほど血糖値の上昇がゆるやかになり、インシュリンの分泌も抑えられます。

インシュリンには脂肪を作り脂肪細胞の分解を抑制する働きがあるので、分泌されすぎると肥満の原因ともなってしまいますので、ダイエットされる方はインシュリンのコントロールが必要です。

血糖値を緩やかに上げると、高くもなりません。急に上げると高くなりすぐ下がります。

食品のGI値

じゃがいも(83)
さつまいも(63)
にんじん(70)
トマト(23)
かぼちゃ(西洋) 65
精白米 (83)
大根 (25)
切干し大根 (73)

よく、食事の食べる順番で野菜を食べたほうがよいといわれますが、野菜の中でも、人参やイモ類はGI値が高いので気をつけましょう。果物は食後に食べると血糖値があがりやすいので間食として食べるとよいそうです。同じでんぷんでも、小麦粉は急激に血糖値を上げてしまいますのでパンなど注意した方がよいです。

でんぷんでも、ゆっくり血糖値が上がるGI値が低い緑豆春雨がおすすめだそうです。また、GI値を下げる効果のある食品として、「酢」や「食物繊維」「乳製品」「豆類」がありますので、料理を工夫して、同時に摂れるように気をつけましょう。

最近、高速で遺伝子解析ができるようになり、腸内細菌の研究が進んできました。その結果、今まで、善玉菌といわれていたもの、悪玉菌といわれていたものが、単純には分けられないことがわかってきたそうです。(腸内細菌については研究段階でまだ結論は出ていません。善玉菌、悪玉菌という言葉がそもそも、あまりにも一般化したので、仕方なく使っていますが、科学的な根拠はありません)

正しい呼吸

· 酸素不足 の解消
· リラックス(笑い、やる気)
· 腸の働き改善(調整作用)

ウォーキングやマッサージなどは、全身の血流を促し、異物を排出を助けてしてくれます。
大腿筋は身体の中で一番大きな筋肉ですからここを動かせば、筋肉がポンプの役割をし、体中の血液循環につながります。

人はストレスを感じるとストレスホルモンを放出し、血糖値が上がり、マクロファージの働きが低下し、自然免疫力が下がります。

マクロファージは白血球の一つで、外部から侵入してきた異物を排除したり、死んだ細胞を排除してくれています。マクロファージが強く活性化すると、ばい菌を殺す活性酸素を出すので感染症の時には必要です。

一方で、体の毒(AGEsなど)がたくさん残るとマクロファージに活性酸素を出させる原因になります。活性酸素が出続けると、いろいろな病気になるため、昔はマクロファージは悪者!といわれることもありましたが、今は身体にとって大変大切な役割をしているものという認識に変わってきています。

マクロファージに適度な活性状態(これをプライミング状態と言います)にすると、体に出来た毒を取り除く力が高まり、また、炎症を起こさず、効果を最大に発揮してくれます。

マクロファージを制御する食物
· きのこ、酵母・・・・βグルカン
· 乳酸菌・・・・ペプチドグリカン
· グラム陰性細菌(糖脂質)・・・・LPS(エンドトキシン)

きのこ、酵母、乳酸菌はもうすでに、広く知れ渡っていますが、今回はこの中でもグラム陰性細菌というものに注目してみます。グラム陰性細菌には、ケフィアヨーグルト、ナタデココ、プロバイオティクスなどに含まれる酢酸菌やキサンタンガムを作るキサントモナスなどがあります。

グラム陰性細菌に含まれるLPSという成分が異物を取り除き、皮膚の代謝、炎症を抑える役割をしてくれます。なんとその作用は、βグルカンやペプチドグリカンよりも1000~10000分の1の少量で効果を出す力を持っています。

幼児期にLPSが不足しているとアレルギー体質になりやすいようです。
世界でも、アレルギーは先進国にみられ、発展途上国ではアレルギーにかかる子供はほとんどいません。

LPSの多い食品
· 漢方薬、海草 メカブで数十マイクログラム/g

LPSの効果

ステロイドの量を減らせる。
炎症抑制作用がある
体の毒(異物)を排除する
副作用がみられない(食べ過ぎると眠くなることはある)
薬との併用ができる
インフルエンザの減少(飲まないよりも1/3減少した経験あり)

LPSを1日どのくらい摂取すればいいかですが、稲川先生の研究レベルに基づくと一日あたり一人で0.5~1mgの摂取を目安にしています。症状でどうかはまだ研究レベルですし、個体差もありますので、一般の方に出せるような状況ではありません。

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今回のセミナーで、稲川先生に写真とっていいですか?とお伺いをたてたところ、とってもオチャメにかっこよく撮ってね!と快く承諾くださいました!私の自前のカメラだったので、せっかくの先生のカッコイイお顔がぼけてしまいごめんなさい!!

おひげのステキな紳士でしたヾ(*゚∇^*)ノ~

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